元家庭裁判所調査官がコンサル業界で目指す
「法律の枠を超えた支援」
「子どもの支援がしたい」という強い信念のもと、家庭裁判所調査官という専門職の道を選んだ橋倉さん。そこで培ったのは、人の人生全体を見抜く「分析力」と、心を開かせる「傾聴力」という、コンサルタントにも通じる核となる能力。法律の枠を超えた、より広い提案を追求するため、コンサルティング業界、そしてクオンツ・コンサルティングへ入社。前職で得た経験を武器に、異色のキャリアを持つ橋倉さんが、クオンツで見つけた「クライアント第一」のカルチャーと、自身の目指す「伴走型パートナー」のビジョンについて、伺いました。
家庭裁判所調査官で培った「分析力」と「傾聴力」
ーまず橋倉さんの簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか。
京都大学教育学部で心理学を専攻しました。中学・高校では吹奏楽部、大学では非行少年と関わるボランティアサークルに所属していました。
ー大学卒業後、家庭裁判所調査官という専門職の道を選ばれたのはなぜでしょうか。
1番は子どもの支援がしたかったという気持ちからです。子どもは家庭環境・居住地域を選ぶことができず、一方で自力でそこから抜け出す経済力を持たない「社会的弱者」であると感じていました。 なかでも、少年非行は苦しむ子どもたちの「最後の砦」といえるため、支援したいと考えました。
ー地方の家庭裁判所で「家庭裁判所調査官」として、具体的にどのような業務を担当されていたのか、概要を教えていただけますか。
主な仕事は、少年事件(少年の環境やパーソナリティを分析し、裁判官に適切な処遇意見を提出)と、家事事件( 主に離婚調停・面会交流調停等での意見具申・調停進行援助 )でした。成年後見事件なども含め、幅広く扱います。
ーこれまでの職務ではどのような力が身につきましたか?
「分析力」と「傾聴力」です。
「分析力」は、少年や家族の発言を表面上で捉えるのではなく、その人の人生全体を見て、多角的かつ専門的に分析し、結論を導き出す力が鍛えられました。例えば、態度が悪い子に対しては、「なぜそうせざるを得なかったのか、この態度はどう形成されたのか」と、ケースによって全く異なる専門的な分析が必要でした。
「傾聴力」は、ほぼ毎日当事者と面接する中で培われました。相手が私の質問に誘導されることなく、自分の言葉で語ってくれるよう、生い立ちまで踏まえた上で質問の順序を構成し、頭の先からつま先まで観察して向き合っていました。
「調査から提案」を活かす場、そしてコンサルの魅力
ー裁判所職員という専門性の高いお仕事から、コンサルティング業界へ転職を決意された理由は何でしょうか?
裁判所職員とコンサルは、「調査から提案」という仕事の型や、国民(お客様)のためという信念が共通しています。「調査から提案」という仕事が好きなので、根底として維持したい思いがありました。
ただ、公務員だと提案の幅が法律に定められた内容に限定され、”子どもを救いたい”という思いが強くなるほど、それが叶えられないことに苦しさを感じました。結果的に、法律や枠組みにとらわれない提案内容を考えられる仕事をしたいと考えました。
ー転職先として民間企業を選ばれたのはなぜでしょうか?
提案の幅の広さ、ロジックが通れば認められる風潮、意思決定のスムーズさ、前例踏襲の傾向が少ない点など、民間企業の文化に魅力を感じました。
ー他の業種も検討されていましたか?
営業やほかの業界も見ていましたが、コンサル業界は「無形のもの(自分自身)を売る仕事」であり、 もちろん責任は大きいですが、裁量が大きく、提案の幅も広いので魅力的に感じました。
ー前職で「分析力・傾聴力」が身についたと伺いましたが、これらの能力はコンサルタントとしてどのように活かされていますか?
「分析力」に関しては、調査・分析段階において活かすことができていると感じます。 リサーチプロジェクトを担当する機会が多く、市場調査が必要な場面で、「どのように仮説を設計して、どのようにリサーチするのか」を、前職での経験や思考力を活かしながら実行しています。
「傾聴力」の方は、クライアントとの折衝で最も活きると思っています。ヒアリングする際に「いかにクライアントの悩み・課題感を引き出すか」 と考える上で、特に役立っています。
ー今後身につけていきたい能力はありますか?
「プレゼンテーション能力」を身に付けたいです。 同じ情報であっても、伝える人が違えばお客様の受け取り方・感じ方が異なります。情報を生かすも殺すもプレゼンテーション能力次第だと思っています。
未経験で飛び込んだベンチャーで掴んだ裁量と成長
ー数あるコンサルティングファームの中で、クオンツ・コンサルティングに魅力を感じられたのはどのような点でしょうか。
2点あります。
まず1点目が、カルチャーです。クライアント第一を掲げ、自社の利益追求ではなくお客様の考えに寄り添っている企業という印象が強く、私の「国民のため」という思いと共通するものがあり、共感しました。
2点目は、設立から年月が経っていないこともあり、立ち上げフェーズに関わることができる点です。自らで制度を作ることができる点や、合理的な理由があったら採用されるなど、裁量が大きくて面白いなと思っています。
ーコンサル未経験でのご入社で、不安な点はありましたか?
公務員経験しかなく民間企業で働くのが初めてというのもあり、そもそもコンサルティング業務をできるか不安はありました。ただ、入社前に研修があり、基本的なビジネススキルを自習で補えたため、不安はなくなりました。
ー未経験から転職されて、コンサルタントの業務において苦労されたことがあれば、お聞かせください。
1番はスライド作成です。限られた時間で必要な事項を洗い出し、資料に落とし込む必要があり、スキル不足も相まって苦労することが多々ありました。
あとは、プレゼンにはまだ慣れなくて...。ただ、お客様へのプレゼンをコンサルタントという職位で経験できるというのは、クオンツならではのすごく貴重なことです。 テンションや話の順序など、工夫次第で伝わり方が変わるため、自分の作成資料をどう説明すればお客様に伝わりやすいのか、日々試行錯誤しています。
ー会議のファシリテーションも難しくないですか?
資料のボリュームに対する時間の感覚など、まだ掴めていない部分がある中で、適宜お客様や上司に話を振る必要があり、 時間管理に難しさを感じます。
※ファシリテーション:会議や研修、ディスカッションなどの集団活動が円滑に進むよう、参加者の意見や創造性を引き出し、議論を促進し、合意形成をサポートする技法
ー実際に入社してみて、心境の変化はありましたか?
コンサルには冷たい、詰めるような怖いイメージがありましたが、全くそんなことはなく、入社後は皆さんが優しく教えてくれ、いい意味で距離感が近いと感じています。
教育体制も、何事も自力でやるのを覚悟して入社しましたが、想像以上に手厚いなと思いました。こちらから求めるのは基本ではありますが、相談すればしっかりフィードバックをいただけます。デリバリー中も、忙しい中で初歩的なことから教えてくださいますし、議事録のレビューなどもしていただいています。
またクオンツは、成果へのこだわりが強い熱い社員が多いのかなと思っています。「絶対にお客様のためになる」「成果を出す」という思いを皆さん持っているので、絶対に妥協もしないですし、本当にお客様のためを考えて良い資料を提出するには、というところを突き詰めていて、それに日々影響を受けています。
※デリバリー:提案・受注したプロジェクトを実際に遂行し、成果物をクライアントに提供するプロセス
ー現在クオンツでどのような業務を行っていらっしゃいますか?
今は生成AIに関係するプロジェクトをメインで担当しています。生成AIを業務に導入するにあたって、どこに導入したら最適か、導入するにはどういう準備をして、どういう順序で導入していけばよいかなどを提案しています。また、世間や世界での生成AIの動向を調査するというプロジェクトも行っていました。
AIの領域は情勢がめまぐるしく変わるため、毎日情報収集し、仕組みを理解した上で提案する必要があります。お客様がエンジニアの方の場合もあるため、勉強を怠らないようにしています。
「やる気さえあれば活躍できる」橋倉さんのキャリアビジョンとは
ーコンサルタントとして、今後どのような専門性を磨き、成長していきたいというキャリアビジョンをお持ちですか。
専門分野はまだ模索中ですが、 生成AIを含むIT系のプロジェクトや事業企画のプロジェクトに面白さを感じているため、今後はそういった分野で専門性を磨きたいです。
あとは上司から教わった考えですが、お客様の課題になんでも対応できるような人材になりたいという思いがあります。お客様の依頼になんでも応じられるような、伴走型のパートナーになりたいです。
ー橋倉さんと同じく異業種からの転職をお考えの皆様に、メッセージをお願いいたします。
「躊躇せずに飛び込んでみましょう」とまず伝えたいです。ビジネス経験のなさや異業種への不安があるかもしれませんが、強い興味や思いがある時点で、それらの不安を乗り越えられるのがコンサル業界です。どうか抵抗なく、挑戦してみてほしいと思います。
編集後記
元家庭裁判所調査官という異色のキャリアを持つ橋倉さん。「法律の枠」を飛び出し、生成AIという最先端の領域に熱意を持って取り組んでいます。その言葉からは、クライアントファーストの信念 と、飽くなき自己成長への意欲が感じられました。「やる気さえあれば活躍できる」という力強いメッセージ は、異業種からの転職を考える全ての方に、大きな勇気を与えてくれるでしょう。
