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「匠の技」を組織の力に。第1号コンサルタントとして挑む、事業創出の醍醐味

「匠の技」を組織の力に。
第1号コンサルタントとして挑む、事業創出の醍醐味

大手コンサルティングファームでのマネージャー職という安定したキャリアから、当時社員数わずか数名のスタートアップへ「コンサルタント第1号」として飛び込んだ、アソシエイトパートナー加藤さん。後編では、なぜ未完成の組織を選んだのか、その真意を深掘りします。不確実な時代に自らの足で立ち、事業創出に挑むすべてのビジネスパーソンに贈るメッセージです。


【前編はこちら:https://career.quants.co.jp/244/

未完成の組織だからこその「泥臭い」面白さ

―組織を作り上げていく過程で、「大手では得られない面白さ」はありましたか?

一番印象に残っているのは、最初に案件を獲得できたときの経験ですね。今では弊社の大きなお取引先となっているクライアント様に対して、最初に営業としてアプローチしたのが私でした。相手との接点づくりから関係構築、当社の紹介、そして案件のご提案までを一気通貫で行い、最終的にご依頼をいただくことができました。


会社としての知名度や実績がまだこれからの段階では、自分に何ができるか、どんな価値を生み出せるかという点が、受注できるかどうかをストレートに左右します。この緊張感の中で営業としての成功体験を積めたことは、大手ではなかなか得られない面白さでした。まさにそうした経験を求めてクオンツに入社した自分にとって、これは大きな収穫でもありました。


また、採用という観点でも、創業期ならではの面白さがありました。限られた情報の中で、どうすれば候補者に会社の魅力を伝えられるかを考え、実際に採用した方々の育成や、会社としての文化をどう形づくっていくかに向き合う。正解のないテーマに深く関われている点も、大手では得られない貴重な経験だと思います。 

―事業を作る側で体験した「難しさ」は何でしょうか?

大きく二つあって、先ほど話した「営業」と、もうひとつは「育成」だと思っています。
育成は人への投資を意味しますが、その成果がいつ、どのような形で現れるのかは予測しづらく、不確実性が高い点が難しいなと感じます。一方で、人に投資しなければ、自分一人が使える時間の制約を超えて価値を生み出すことはできません。


全員に一律の育成をするのではなく、個々人に応じて関わり方を変えながら試行錯誤していく。その中で、関わりを深めていった人が想像以上のスピードで成果を出す瞬間に立ち会えると、「人の成長に向き合うことの面白さ」を強く感じますし、大きなやりがいのひとつです。

クオンツでの変遷とAPとしての役割

―クオンツ・コンサルティングへの入社前後で、仕事に対する考えの変化はありましたか?

変化はありました。一番の変化は、組織の一員という枠を超え、「事業を創り出す当事者」としての意識が芽生えたことです。また、最終面接を担当することも増えたことで、「採用した人の人生やキャリアを背負う」という重みを肌で感じるようになり、一つ一つの判断に対する覚悟が、入社前とは比較にならないほど強くなりました。

―入社してから2年経ちますが、立ち上げから現在までで一番変化を感じる点はどんな点ですか?

当たり前の話ではありますが、純粋な集団から「“会社”という組織」に進化している点です。10名規模の頃は、阿吽の呼吸で全員と意思疎通ができ、明確な役割分担やルールがなくても、個々人の熱量で正直成立していた所もあります。しかし、30名を超えたあたりで、指示系統やその他制度を整備するといった「組織の仕組み化」が必要不可欠になりました。そこからさらに拡大した現在は、さらに一歩進んだフェーズにあり、規模拡大に伴い薄まりがちなカルチャーや熱量を維持するための仕掛けを構築しています。2年前とはもはや別物と言えるほど、組織機能が段階的にアップデートされ続けており、その進化の速さに日々手応えを感じています。

―入社2年でアソシエイトパートナー(AP)に就任されました。
なぜそのようなスピードで昇格が叶ったのでしょうか。

あらゆる局面で「ラストマン」として、営業、デリバリー、採用、育成の全方位にコミットし続けた結果だと考えています。 APは主語が「プロジェクト」から「会社全体」へと大きく変わります。採用の最終意思決定や組織全体の底上げなど、全社最適の視点で行動を積み重ねてきました。目の前の案件成果にとどまらず、会社全体の成長に当事者意識を持ち続けたことが、早期の昇格に繋がったのだと感じています。 

―就任後、職位の変化やAPに求められる役割についてはどうお考えですか?

最も大きな変化は、経営の当事者としてファーム運営に関与する意識が強まったことです。


実際、APへの昇格に際しては、代表の佐上やパートナー陣に対し、これまでの実績だけでなく、今後の数値計画や組織貢献の方針を自ら策定し、プレゼンテーションを行いました。そのプロセスを通じて、単一のプロジェクトで成果を出す視点から、『会社全体をどう成長させるか』という経営の視座へと、明確にギアが切り替わったと感じています。

―これまでのキャリアを通じて大事にしてきた軸や価値観を教えてください。

様々ありますが、敢えて挙げるなら3つです。

1つ目が、先ほど話に挙がった自分のコンフォートゾーンの外に出る(≒無茶ぶりに見える意思決定をする)ことです。


2つ目が、努力を継続することです。人は長期的な積み重ねがもたらす力を、案外過小評価してしまいがちです。継続の先にしか見えてこない景色が必ずあります。派手さはなくとも、長い時間軸で着実に積み上げる。それこそが、揺るぎないキャリアを築くために欠かせないものだと考えています。


3つ目が、どんな仕事であっても、その瞬間に全力を尽くすことです。Appleの創業者であるSteve Jobsが、スタンフォード大学の卒業式で語った「Connecting the Dots」という有名なスピーチがあります。私なりの解釈ですが、目の前の仕事で力を出し切らなければ、後から振り返ったときに、その経験は「点」としてすら認識できません。点として残らなければ、それをつなげて「線(キャリア)」にすることもできません。だからこそ、日々の仕事ひとつひとつに全力で向き合うことを常に心がけています。

今後の展望とメッセージ

―今後クオンツをどのような組織にしていきたいですか?

 「プロフェッショナル人材の輩出企業」として、世の中から一目置かれる存在にしたいと考えています。 


今後、AIの進化によって表面的な分析や資料作成といった作業は、ますます代替されていくと思います。一方で、クライアントが言語できていない点も踏まえた論点設計力、データ化できない情報も踏まえた分析力、さらには組織変革を阻む要素を取り除きながら前に進めていく推進力、こうした力は自動化されるわけではありません。むしろ、AIが普及するほど、それらを担えるプロフェッショナルの価値は、これまで以上に高まっていくと感じています。

私は、そうしたプロフェッショナルをクオンツから育てていきたいと考えています。戦略的思考を備えたIT/DX人材を増やし、技術の進化を踏まえながら、クライアントおよび自社の組織や業務のあり方そのものを変えていける人材です。「クオンツにいれば、時代が変わっても価値を出し続けられるプロフェッショナルになれる」、そう世の中から認知される組織を目指していきたいです。

―ご自身の今後の役割は?

クオンツに所属するコンサルタント同士が協働し、互いの価値を高め合える場を率先して整えていくことが、私の役割だと考えています。組織が大きくなってくると、どうしても縦割りが生まれ、学びや知見の共有が特定の小さなコミュニティの中に閉じてしまいがちです。そうならないように、カルチャーや仕組みを整え、よりオープンに学び/交流が生まれる環境をつくっていきたいと考えています。こうした取り組みは、組織が千人規模になってから整えようとしても、手遅れになってしまうことが多いと思っており、だからこそ今の規模感のうちから、将来を見据えた土台をしっかりと作っていけるかが勝負だと思っています。


これらを通じて、自身のライフパーパスである「関わる人々の匠の技の体得を支援し、その人々の人生が豊かになる事に貢献する」ことも実現していきたいと考えています。  

―最後に、コンサルタントへの挑戦を考えているエンジニアの方へメッセージをお願いします。

新たな環境に移った後、本当についていけるのかと不安に感じる方も多いかもしれません 。ただ、その不安な感情を抱く事こそが、現状のコンフォートゾーンから出る(=つまり成長する)第一歩なのだと思います。その一歩を超えて挑戦してみると新たな世界が拓かれますし、やらなかった後悔も残りません。エンジニアからコンサルタントへ転身した一人として、皆さんの挑戦を心から応援しています。 

加藤➁

編集後記

今回のインタビューを通じて最も印象的だったのは、加藤さんが語った「語れる人生を送りたい」という言葉です。大手ファームのマネージャーという、多くの人が羨むキャリアを手放してまでベンチャーの門を叩いたのは、リスクを回避するためではなく、自分にしか語れない「唯一無二の経験」を手に入れるためでした。

加藤さんの「失敗しても、その理由を語れる人の方が価値がある」という逆転の発想は、キャリアにおける本当のリスクとは「挑戦せずに現状に留まり、変化の機会を失うこと」であることを教えてくれます。


エンジニアからコンサルタントへ、そして組織の立ち上げへ。自身のコンフォートゾーンをあえて抜け出し、未知の領域へ飛び込み続けることで「点」は繋がり、強固なキャリアの線を描いています。